2014年2月7日金曜日

最近思い出した父との思い出

今、父は人間として生きている状態の中で、
一番芳しくない状態にいる。
要するに寝たきりだ。
その父との幼少の頃の思い出が、
最近、鮮明に思い出されたのでここに書き留めておく。

ボクは小学校上がる前くらいだったか、
新宿に父と一昨年亡くなった伯父と三人で映画を観に行った。
映画を観つつ、父はボクに何か、ポップコーンだったかビールだったかを買ってくるように命じて、小銭を渡して送り出したんだけども、
途中でボクはゲームコーナーにあるピンボールが小銭を入れれば
プレイできると知り、父から預かった小銭をそこに費やしてしまう。
不審に思った父がゲームコーナーで、夢中でプレイするボクを発見して、
憤怒激怒し、ボクは確か「ぐー」で殴られたはずだ。

しかし、この瞬間、ボクは背徳の快楽を知ってしまったし、
これは貴重な父から教わったメソッドの、
非常に重要な部分であると思っている。

そして、この顛末を終始傍観していた伯父が、
一体どうしていたかというと、
ずっと、笑っていたのである。

確かに滑稽だ。

三人で観に行った映画は確かペーパームーン、
親子詐欺師の映画。
伯父は、そういうのもひっくるめて笑っていたのだと思う。

そんな父との思い出が、鮮やかによみがえった、冬。