2013年1月26日土曜日

テロ

件のようなことが起きるたびに、暴力によって物事を進めていこうとする連中に対して、すごく憤りを覚える。しかし、旧宗主国が、西側が資源をわがもの顔でかすめ盗っていくことに対して、それを不満とする側に、他にどういう抵抗の方法があるのだろうか。

そもそも日本を含む西側諸国は、アラブ、アフリカの資源を公平な手続きによって得ているのだろうか。それが正当性のあるものならば、どうしてこのような人質事件や殺害が頻発するのだろうか。

犯行側の要求が身代金、って単純な話ではないところにも、もっと鋭く焦点が当てられるべきだろう。

隣国ニジェールには、汚染されながらのウラン採掘に携わる、現地の人たちがたくさんいるそうだ。低賃金でその人たちを使うだけでなく、健康被害までをも及ばせているのは、他ならぬわれわれ、ウラン消費国だ。

原発はコストが安いという。日本で消費されるウランのうち、13%を産出するのはニジェール、最貧国のひとつなのである。

マリ、アルジェリア、ニジェール、リビアにまたがる、国境に拘束されないトゥアレグ族の血気盛んな若者が、さまざまな場面で搾取される同胞をみてきて、怒り狂ってテロリストになってしまうのもわかる気がする。

こういった場面で、わが国はフランスに対して、人質の人命を優先し、マリへの軍事介入を一時的にでも撤退するよう、要求できたら良かった。わが国は西側の一員ではなく、中立の立場であることを表明できたとしたら、事態が少しは変わっていたのではないか、と思わずにはいられない。